ニューヨークを撮り続ける男に迫った『ビル・カニンガム・ニューヨーク』
「ニューヨークの名物オヤジ」
であるビル・カニンガムのライフワークに迫る。
ニューヨークのファションを取り続ける男
ニューヨークで青色の作業着と自転車で駆け回る名物フォトグラファー
彼はニューヨークでもう50年以上、ストリートでファッションを追い続けている。
そして、撮ったものをニューヨーク・タイムズで担当している記事に貼り付け、編集し、いまファッション界では何が起こっているのかなどをどこよりも早く発信する。
そんな彼には著名人たちのファンが多い。
あのアナ・ウィンターに「彼に撮られるために、服を着る」と言わせる程である。
裕福な家庭に育ち、やがてハーバード大学に入学するも中退。
そのあとニューヨークタイムズの記者になったなどの謎の多かったビルについての経歴が劇中では語られている。
また彼がどんな人物なのかも同じアパートに住む人々が語ってくれる。
恐るべしバイタリティー
この作品を見て特に驚いたのは、彼のバイタリティーの高さです。
とにかく自転車を漕ぎ、気になったファッションをとって大急ぎで編集をする。
とても80代のおじいさんのすることとは思えない。
これだけできるのは、彼がこの仕事が好きだからだという。
好きなことをずっとやれるのは羨ましいと純粋に思わされた。
コレクションの発表会や、豪華なパーティーなどに出される料理や豪華なもてなしにビルは見向きもしない。
彼は、こういう時はいつも近くの安い店で食事を済ませています。
そしてそのままこういう式に出るんです。
本当に好きなこと一筋です。
高いものや、洗礼されたものを好む人が多いファッション業界にもガンディーみたいな人もいるんですね。
現在は・・・
残念ながらもう既に亡くなってしまっています。
作中でも「ドレスを着たセレブに興味はない、普通の服を着た人々に興味がある」と語っていました。
そしてその通りに、最後まで好きなものを撮り続けた偉大な写真家の紹介でした。